地味なあたしと不良軍団
「ゆ、悠真くんっ!?」
「依奈、好きだ」
心臓がバクバク鳴り過ぎて頭がくらくらしてきた。
「あ、あたし…」
困る。
非常に困る。
そんな依奈の様子をみて、悠真は薄く笑う。
「…やっぱり、奏か?」
「え?」
「奏が、いいんだろ?」
道路横の壁に詰め寄られた。
悠真の手が依奈の顔のすぐ横にある。
「…、ちがう」
あたしは好きとかそういうんじゃない。
悠真は表情を歪める。
自分は悲しませることしかできないのか。
そう思うと、泣きそうになった。
ぐいっ、
突然腕をひかれる。
悠真ではない、誰かに。
「…俺の家族、苛めんなよ」
奏だ。
ぎゅ、と抱き締められた。
依奈は苛められてたわけではないと言おうとするが肩に口があたり塞がれて言えない。
「苛めるわけねえだろ?俺の惚れた女を」
「…悠真?」
「…俺は、相手がお前でも奪いにいく」
状況を理解した奏はにやりと笑う。
「上等」