地味なあたしと不良軍団
秋の心境を見透かしたように薫が答えた。
「経験上、依奈ちゃんの顔見てればわかるわ…所詮、まわりの女と同じやな」
「…薫」
彼がたくさんの女の子と付き合ってきたのは分かっている。
理由はわからないが、付き合ってすぐ別れてしまうという噂まであった。
薫は何かを試してるみたいにも思える。
「依奈ちゃんは、他の子とはぜってぇ違うからな!」
秋はそう言い張る。
違う、絶対ちがう!
あんな子、滅多に居ない。
どうしてそう言い切れるのか不思議だったが、秋は真剣な表情で告げた。
「秋、ベタ惚れやな」
「……、べつに」
「あ、依奈ちゃんや」
薫が 依奈 の名を口に出せば彼はバッと入り口の方を見た。
それをみて、薫は腹を抱えて笑う。
「…笑うなっ!///」
「っ、く…ほんまに、秋は可愛ええなあ」
分かりやすい。
バカ正直だ。
そして優しい。
まわりに遠慮して、自分の気持ちを隠すような事はしてほしくないと思った。