地味なあたしと不良軍団
がちゃり、
「ただいま…」
「おっじゃまー「黙れ」
家に入ると、スウェット姿の奏がいた。
明らかに機嫌が悪い。
「ど、どうしたの?」
「…別に、」
秋は自分の声が遮られたことにショックを受けたがすぐに復活して、薫が言っていた事を口にした。
「なあ、薫が言ってたんだけど…なんで彼女いるふりなんかすんの?」
「…はあ、言うなっつったのに」
信じた俺がバカだったと奏は肩を落とす。
「奏くん、何かあったの?」
依奈が心配そうに聞けば、 別に とそっけなく返す。
巻き込みたくないのだ。
それに、言いたくない。
数日前から誰かにストーカーされてました!なんて。
「優しい俺が協力してやるって!奏、なんでも言ってみ?」
ほらほら、と急かすと言いにくそうに小声で話し出す。
「とくに…依奈には、言いたくなかったけど………されてんだよ、」
「は?」
一番重要な所が聞こえなかった。秋が聞き返せば、イラだったように大声をあげる。
「男にストーカーされてんだよ!!」