地味なあたしと不良軍団
「はあー笑えた。…幾多家最高だな!」
「どこがだよ」
「依奈ちゃんは下着盗まれるし、奏はストーカーされるし、最高じゃんか」
「最低の間違いだアホ」
とりあえず、奏が外へ出ると一昨日頃から確実に後をついてくるのだ。
「…とにかく、奏くんが危ないのは嫌だから、捕まえよう?」
依奈にしては強気な発言に二人は目を見開く。
「最初からそのつもりだ。けど、依奈は関係ないからな」
「え?」
「…危ない目にあわせたくねえんだよ」
素直な言葉に、依奈は目をぱちくりと開く。
どういう風の吹きまわしなんだろう。
「あたしだって、奏くんが危ない目にあうの嫌だもん…」
「俺的に奏と依奈ちゃんが一緒にいたほうが危ないと思う!」
「もうお前帰れ」
いい加減ウザくなってきた。最近自分のツッコミスキルがあがって来ているのはコイツのせいだ。
「とにかく、俺は明日ストーカーを潰す!」
「面白そうじゃん、俺も参加するー!」