地味なあたしと不良軍団

依奈は騒ぎだした二人の様子を微笑ましくみていた。

♪~♪~

家電が鳴る。
一番近い距離にいた奏がとる。

「はい。」
『…今からそっちに行くよ』

「は?」
がちゃり、ツーツー

男の低い声だった。
聞いたことのない声音。

「奏くん?」
「なに固まってんだよ?」

「…電話で、今行くって言われた」
「誰に?」
「さあ?」

知らない男だった、というと依奈はぱっと顔をあげた。

「…もしかして、ストーカー?」
「あー、ありえる」
依奈は体を震わせた。

「い、今から…ストーカーくるの?」
「だろうな。」

普通に答える奏とは違い、依奈は真っ青な顔色になっていく。

ぎゅ、
奏の服を掴む。

「依奈?」
「…がんばろ、皆で捕まえよう」

「ああ」
一番震えてるくせに、一番気が強い。
奏は彼女を愛しく感じた。

殺那、
ビンポーン

チャイムが鳴った。
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