地味なあたしと不良軍団
「私は、好きなのよ!!…気付かないうちに、どうしようもないくらいに大好きになってたの…、お願い、私を…抱いてよ」
関係が壊れそうで怖い。
無表情の薫は首を横に降った。
「なにも、変わらんなあ…周りの女子と。恵美ちゃん、
別れよか?」
ぽん、と頭の上に手をおかれた。
「…私、何かした?」
鼻水をすすり、恵美は無理やり平常を保つ。
「そんなんじゃあらへん」
依奈が一瞬、脳内で浮かんで消えた。
「オレなあ、依奈ちゃんしか考えられんみたいやわ」
気付けば彼女を想っている。
「そろそろ、本気で行くわ」
離れて行ってしまう。
そう感じた。
恵美にはもうどうすることもできない。
「…薫、私も、…本気で行くから」
ならば、自分なりに頑張ってみよう。
すがりついているだけじゃ意味がない。
「覚悟してなさいよ」
まっすぐな言葉は薫に突き刺さる。
彼は小さく笑った。