蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
更に翌日。


前日病院で貰った薬を飲んだにも関わらず、頭痛は治まっていなかった。


むしろ悪化したようにも思える。


それに加えて今日は何だか体が重い。



「頭いてぇ…」



頭を抱えながら呟く。



(やっぱり風邪の前兆だったのか?)



取り敢えず熱を計ってみる。



「──平熱だな…。」



頭が痛く、体は重いというのに体温は意外にも平熱。


誠はそのまま学校へ行く準備を始める。



「無理しないで学校休めば?」



心配した美代子がそう言うが誠は首を横に振る。



「大丈夫。熱はないんだから、そのうちよくなる。」



少し笑って見せてから家を出た。


それと同時に後ろから足音が続く。



「今日もか…」



ため息をついて学校へ向かった。
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