さよならさえも言えなくて
また彼はニコリと笑ってみせたけど、なんだかさっきの笑顔とは違った様に感じられた。

澄みきった青空なんだけど、ほんの少しの雲があって、ほんの少しなんだけど、それが無くなる事はなくて、それはじりじりと青空に覆い被さっていく。
ふと、そんな風に思った。


そんな笑顔でさえあたしの心を締め付ける。

何に対して苦しんでるの?
あたしじゃ、支えになれない?


どんなあなたも好きだよ。

好き。



「……好き」



静まり返った教室に響く2文字の言葉。


あたしは自分が告白してしまった事に気付くまで、少し時間が掛かった。

勿論、告白するつもりなどなかった。
だけど、無意識のうちに出した言葉は、告白を意味していた。


「え……?」


彼もびっくりした顔であたしを見て来る。
そりゃあ、そうだろう。
『ありがとな』の後に『好き』だなんて、全く話が噛み合っていない。
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