Memory's Piece

「ん、どしたの、頼兎ちゃん?」


「頼兎ちゃん言うな。
俺のソーセージは取れてねぇ」


「黙れ、下種。ボクの前でそういうネタは控えろと前にも言っただろう??」


「・・・・スンマソ」


一瞬殺気を醸し出したボクに即座に謝って、頼兎はエロモから受け取った袋から四本の棒付き南瓜を取り出した。

棒付き南瓜に興味を示したらしい桃亜姉が目の色を輝かせながら頼兎に詰め寄るのを眺めながらボクは不意に、視線を感じて視線を走らせた。

冷たく冷めきった殺気が籠った視線だ。

首元にチクチクと突き刺さるようなわずらわしい視線の元をたどろうと神経を尖らせるが、人が多すぎて特定が難しい。


「んーと、パンプッキって言うお菓子・・・・・らしいっす」


上の空で辺りの気配に気を配っていたら、頼兎の戸惑ったような声が聞こえてきた。

・・・パンプッキって何。

思わず視線を戻して、桃亜姉と頼兎の手を見れば鮮やかなオレンジ色の南瓜が握られていた。

あぁ、さっきエロモの袋から取り出されていたあれかと何気なく思っていたら


「だから、お菓子だ、お・菓・子。
ほれ、魅稀にも1つやるよ」


「・・・・・・・ん、ありがとう」


グイッと一本を手渡された。

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