dayaftertomorrow
洋子さんはちょっと驚いた顔をして「何故?」って聞いてきた

それはそうだ・・入社1年目だし、結構売れた1流の会社だったもの

「お兄さんに直接話したいことがあってきました」

辞めた理由は言イわずに伝えた

洋子さんはチョッと考えて「もう起きて、すぐそこの畑に言ってるわ」

そう教えてくれた・・・「畑?動けるんですか?」

洋子さんは慎重に「あの日、孝子さんに出会ってから、あまり動かなかった

んだけど、何だか変わったみたいに時間があると畑に行って

野菜を作ってみるみたい・・・簡単なものなようだけど」

「そうですか・・・会うことはできますか?」

答えは怖かったが洋子さんは「逢ってあげてください」と言った

「兄は貴女と出逢って何かを感じたみたいです」

私はその言葉で少し救われた。

そして、「私、お兄さんに気持ちが動いているの。だから会社を辞めて

少しでも一緒にいたいと思っています。勿論、お兄さんの気持ちを聞いた

わけではないので自分勝手なことなんですけど・・・」

「会社の仕事よりも兄のことを大事にしてくれるんですか?」

洋子さんは聞いてきた

「お兄さんは自分の病気に気がつかないで自分は医者失格と言っていました

でも、先日お会いしたときに感じたんです

本当は医者という職業を私は毛嫌いしていたんですが

お兄さんを見て違うことに気がつかされました

私はキャッチコピーを考えるよりも、お兄さんの残りの人生の傍にいたい

その気持ちと、今回担当した企画についても話しておきたかったんです」

洋子さんは考え込コみ、こう言った

「兄の命は残りわずかです。きっと貴女に出会って少し変カわったのは

確かですが、そっとしてあげてくれませんか?」

洋子さんの気持ちもよく判る・・・でも決心してきたのだ

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