愛しー時に抗うもの達ー
体は、後ずさる。
死にたいとあれほど思っていたのに、今では死がどうしようもなく怖い。











私はおじさん達に背をむけ走り出した。



足には、自信があった。










なりふり構わず走っていると、竹は容赦なく襲ってくる。
身体中切り傷だらけだった。






竹林がもうすぐで開ける…(竹林を出れば…、)









視界がぼやける。

神様、海

ごめんなさい。








私が死にたいだなんて言ったから…。




男達が後ろに迫ってきた。
「待たぬかッ…!」





足には自信があったのに…




体力の差か、







もうすぐ、もうすぐ…

足がもつれて
こけそうになっても
必死で走った。



死にたくない。














ドンッ―










いつの間にか、竹林を出ていて出たところで男の人にぶつかった。




その人の腰にも、刀がささっていた。




涙でぼやける目で、男の人の顔を見上げた。









そこには、綺麗な顔立ちがあった。
目は、鋭く光っていた。





暫く見つめあっていた―





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