愛しー時に抗うもの達ー
「そこのおなごを渡せ。」
おじさんがいう。


いやだいやだ…!


ぶつかった男の人の黒い着流しを握りしめた。


男は、おじさん達に鋭く視線を送ると


「ヒッ―」

と声をあげ、走り去って行った。


男の視線は、冷たく怖いものがある。














「おい、女。」



握りしめていた着流しを離した。


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