Hurly-Burly 【完】

あたしが一番状況把握出来てない。

「日和ちゃん?本当に今どこなの?

美男が珍しく連絡来ないって騒いでて

心配になったんだけど・・・」

よ、美男(よしお)!?

よっちゃん、そんな名前だったのか!!

全然、名前と顔が合わない。

美男と書いて美男子じゃん。

ぶはっ、笑える。

腹が裂けるほど笑いのツボ入る。

「日和ちゃん?大丈夫なの・・今、お取り

込み中だったり?」

何を勘違いしているのか馨君。

「ううん、いや、取り込み中なのは変わりない

けど、馨君が思ってるよりも状況は最悪だ。」

この佐藤選手の理解出来ぬスピードといい。

坂を駆けのぼったりとにかく大忙しの佐藤君。

何せ、明香里ちゃんはタクシーに乗って移動

しているからな。

それに追いつくスピード出してる佐藤選手

お前一体何者なんだよと横目に馨君との

電話に専念する。

「どういうこと?」

とりあえず、何て言えばいいんだろう?

佐藤選手が止まらないと言うべきだろうか。

「あの・・非常に言いにくいんだけど・・

ぐはっ、ちょっ・・佐藤選手マジで足が

可笑しくなるって。何あのカエル・・」

ああ、あたしの人生何が不幸って?

最大の不幸は不良に関わる関わらない

じゃないと思う。

あたしのこの断れない性格だよね。

はっきり止めろと言えやしないことよね。

それで変なとこに首を出して自殺行為。

はぁー、そんな人生誰だって味わえるわけでもない。

「馨君、・・・今ね、非情に言いにくいんだけど、

北地区っていう住所の真下をよく通るのだ。

・・・・でも、心配しないで・・佐藤選手と

2人で明香里ちゃん追うから・・それじゃ」

「はぁ?ちょっ、日和ちゃっ」

馨君の珍しく慌てたノイズを最後にケータイの

充電が切れた。

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