Hurly-Burly 【完】

そして、ほら来た。

その異人を見るようなたっぷりと

距離を取った引き気味のみんなの顔。

「お前・・・残念なヤツだな」

それ貶してる?

ねぇ、ド金髪さんよ。

「確かに、男の子だったはずだが・・・」

父ちゃんがいきなり連れて来たんだ。

最初はビックリして逃げた。

だけど、そのふさふさした体といい

白に近い金の色をした毛がサラサラで、

すぐに可愛いお目目ですり寄ってくる

あの子はまさにあたしの恋人よ。

もう結構経つんだよね。

あれから何年だろうな。

もうおっさんになってんだろうか?

「ぎゃー、おっさんジョセフィーヌ!!

いつの間にそんなに老けちゃったの??」

妄想世界のジョセフィーヌは真っ白の

毛にヨボヨボした感じで現れた。

「おじさん、キラーなの?

珍しいね。」

伊織君、あんたふしだらだよ。

ジョセフィーヌとはプラトニック

ラブなんだから。

「普通に毛並が綺麗なゴールデンレトリバー

だし!!」

失礼なヤツだ。

ご飯の時間が近づいてんだよ。

ジョセフィーヌが家出しちゃうよ。

『ハニー、もうさよならだ。』

しっぽを振りながら新しい女に

走って行くジョセ・・・

「ま、待って捨てないで!!」

カムバックジョセフィーヌ。

「一旦、止めろや。」

あたしの妄想劇場はジョセフィーヌ

新しい女に走るで終わる。

「グスンっ・・・・」

マジ泣きを見せるあたしにギョッとする

不良の皆様方。
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