脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「妹さんのことです」
早々に切り出した麻紀。
「妹?」
「はい、香穂さんの」
「香穂? がどうしたの? なんかしたの、あの子?」
「留美さんから言ってもらいたくって」
「言う? なにをよ?」
「流川直人に近づくなって」
「は?」
首をかしげるオネエマン。
「最近、毎日のように来てるんですよ、流川直人の部屋に」
「香穂が?」
「はい。そのせいで唯衣と流川がヤれないんです」
「ちょっ! 麻紀っ!」
あわてて麻紀の口をおさえようとした私を一瞥したオネエマンは。
「何事かと思ったら……そんなこと?」
ふうっとタバコの煙を吐き出した。
「恋愛相談に来たわけ? いくらでも乗るわよ、そういうことなら。アタシもそれなりにイロイロ経験してるからね。まあちょっと種類は違うけど」
「いや、相談じゃなくて」
麻紀が身を乗り出している。
「流川直人も唯衣も、香穂ちゃんに何も言えないでいるんですよ」
「だから何よ」
「何って。だから留美さんから香穂ちゃんに言ってもらいたいんですってば。流川には唯衣がいるんだからあきらめろって」
「ふん」
鼻を鳴らしたオネエマンは、指にはさんだタバコをくるくると回して、私と麻紀をあきれたように眺めた。