脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「アンタたち、そんなことを頼むためにわざわざアタシのところに押しかけてきたわけ?」
ボーイさんがお酒を運んできてくれて、
それをくいっとあおったオネエマン。
「バカじゃないの?」
「はあ?」
オネエマンの言葉に、麻紀が声を上げた。
「自分で解決できないからってね、簡単に人に頼むんじゃないわよ」
「だって、」
「だってもクソもないわよ」
「……」
「いい? アンタたち? 恋愛は自由よ」
真顔のオネエマンは組んでいた足をおろして私たちを見た。
「恋愛中に問題が勃発するのは当たり前よ。
自分で解決できないでどうするのよ。この先なにかあったらまたそうやって誰かに頼るわけ?」
「……」
「別に香穂が妹だからって肩を持ってるわけじゃないわよ? アタシは誰の味方につくつもりもないし」
「……」
「ホントに好きだったらね、自分で勝負しなさい」
何も言い返せない私たち。
そんな私たちを見て、灰皿にタバコを押しつけたオネエマンは小さく笑った。
「分かったら帰りなさい。アタシこれからお得意様を相手しなきゃならないのよ」
エレベーター前まで送ってくれたオネエマンは、
「今度はナオちゃんを連れてくるのよ」
そう言って。
ドアが閉まる直前、
「アンタも根性見せなさい」
「え?」
ぽかんとした私に、
「ナオちゃんのオンナなんだから」
ふん、と笑った。