脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
流川の胸の音。
流川のにおい。
流川の体温。
肌から直接伝わってくるその全部が、どうしようもなく私をドキドキさせる。
だけどそれ以上に、
柔らかい毛布にくるまれたときみたいな、ふんわりとした安心感に包まれて。
――この場所が大好きだから、離れたくなくなって。
シアワセなのに、泣きたくなるんだ。
だって流川はまたすぐに、私のそばからいなくなっちゃうんでしょ?
会いたくても、簡単に会えなくなるでしょ?
こうやって、触れていられなくなるんでしょ?
「ねえ……流川」
「……ん?」
さっき聞きたかったこと、もう1コあるんだ。
今度はいつ行っちゃうの? ……って。
いつ帰ってくるの? ……って。
「なんだ、どうした」
「今度は……いつ……会え、る、の……」
言葉の途中で涙が出ちゃって。
「やだ、な、も……う」
流川に見えないように、精いっぱい歯をくいしばって顔をふせたのに。
込み上げる涙のせいで、ひくひくと肩が震えてしまう。
「……泣くなよ」
持ち上げられた顔は、たぶんぐしゃぐしゃ。
こんなの、流川が困るだけなのに。
情けなくて、切なくて。
涙をぬぐってくれる手が愛しくて。
「ごめん……何でもない……」
流川に背を向けた私は、
カエルのお腹に顔を押し付けた。