脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
その手に、軽くチカラが込められて。
首の下にある腕は、私の肩をそっと包んだ。
流川の腕の中。
ゆっくりとまばたきを繰り返す私を見下ろして、目の前のヒトが、静かに唇を開く。
「それでいいんだな、願いごと」
「うん」
「他のじゃなくて」
「うん……」
うなずいた私の鼻先に……頬に、おでこに、流川は軽くキスをした。
まるで、タイミングをはかるみたいに。
そのたびに、私はきゅっと目を閉じて、開いて、視線を合わせて。
流川の唇が動くのを、ドキドキしながら待っていた。
「どうしよう……」
「……ん?」
「き、緊張する……」
「なんでお前が緊張すんだよ」
「だって……」
からまっていた指が離れて、その手が頬に触れたから。
重なった胸に、あったかい流川の体温を感じたから。
「……流川……」
両手を肩にそっと添えると。
「なんだよ、……唯衣」
ささやくような声が落ちてきて。
――きゅん……
呼ばれた名前に、ぴくっと指先が震えた。