脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
兄貴の結婚式のためにオレが向かったのはハワイだ。
23日の夜の便に乗ったオレが向こうに到着するのは、現地時間で同じ日の朝になる。
丸1日やり直しってわけだ。
「まあ、アイツの言う通りタイムスリップしたとでも思えば気がラクか」
それでも19時間の時差は何気にキツイ。
時差ぼけの頭を抱えながら兄貴の元へ向かった。
式は明日24日。いわゆるクリスマス婚だ。
教会、特に海外になるとクリスマス当日は式が挙げられない所が多い。
よって兄貴らもイブを選んで挙式することになったというわけだ。
「ったく。クリスマス婚なんてミーハーなことやってんじゃねーよ」
当人たちは記念に残る日になるだろうが、
わざわざ海まで越えて呼びだされる方の身にもなれってーの。
「ま、仕方ねーか。人生の一大イベントでもあるわけだしな」
兄貴の仕事の関係でこっちの式場を選んだというのもあるみてぇだが、
たいがいこういうことはオンナの希望が優先されるもんだ。
兄貴は別にああいう感じの人間だから、ハワイにもクリスマス婚にも特にこだわりなんてなかっただろう。
おそらく理恵子さんの夢を取り入れたってとこだろうな。