脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
さっと身をかわして再び駆け出すと、
「こっ、待てっ! サンタっ!」
異常な執着心を見せてさらに追いかけてくる。
アイツも無我夢中らしい。
もうあきらめただろうと、走りながら何度か振り向いてみたのだが、
「……マジかよ」
顔に雪を張りつけて、必死の形相でついてくる。
しかも、振り向くたびに距離が縮まってる感じだ。
「コイツ……本気だせばオリンピックにも行けるんじゃねーか」
まあ、オレの方は服の上から着ているサンタの衣装と、抱えているデカい袋が邪魔になっているだけなのだが、
これじゃマジで負けそうだ。
仕方ねぇ、ここは全力を出すしかねぇだろ。
踏み出した足にチカラを入れた瞬間、
「待てーーっ! 泥棒サンタっ!」
大声と共に、いきなり尻を蹴られた。
「っ……てぇな」
瞬間、何が起こったのか分からなかったが、
「……」
目の前に地面がある。
「流川の留守中は、私が守るんだからっ!」
さらにオレの上に乗っかろうとしているアイツのおかげで、
ぼう然とする時間もなかった。