脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+

観念してやってもよかったんだろう。


しかしオレのほうもなぜか必死になっていた。



すばやく起き上がったのだが、



「ま、待てっ!」



カエル入りの袋は、ガッチリ抱え込まれている。


マジで感心しちまうくらいのファイトだ。


だがしかし、ここでカエルを奪われたら意味がねぇ。



引っ張れば離すだろうと思ったのだが、そのつもりは無いらしい。



「い、いででで……」



なんて言いながらも、



「ふぬぅ……っ」



どこまでも食らいついてくる覚悟だ。



「……」



雪の上をこのまま引きずるわけにもいかねぇだろ。


セーター1枚にスカートって格好だ。



どうしたもんか。


抱き起こしてやろうか。


地面に埋まっている様子をしばし見おろしていたオレだったが、


どうにも納得がいかない。



留美のいう作戦っては何だったんだ?


もしかしたらこれも全て演出か。



迷ったが、この場は一旦退散することにした。


とりあえずコイツより先に部屋に戻って留美に確認する必要がある。



仕方なく置き去りにしたのだが、



「……大丈夫だろうなアイツ」



気になって、曲がり角からその様子をうかがうと、


袋から出てきたカエルをおもいっきり抱きしめて喜んでいるようだった。



「良かったな。ちゃんと戻って来いよ」



聞こえないのは承知だったが一応声をかけてやり、オレは部屋へと急いだ。


< 387 / 404 >

この作品をシェア

pagetop