脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+

「それにしても遅せぇな、アイツ」



オレがここに戻ってきてから、30分以上が過ぎている。


まさか道に迷うこともねぇだろうし。



「雪に興奮して遊んでるんじゃねーだろうな」



迎えに行こうかと思ったところで、玄関ドアが開く気配がした。



「……やっと戻ってきたか」



さて、どう説明するか。


海外に、サンタに、カエル。



「……アイツの出方をみてから判断するか」



まずは叱っておかねぇと。


カギのかけ忘れに、無謀な追いかけ、あとさき考えねぇ攻撃。


全部相手がオレだったから良かっただけだ。


用心することを覚えさせねぇと、この先も心配でならない。



「る……かわ……?」



オレを見つけたアイツは、ぽかんと口を開いて突っ立っていた。



「カギもかけないで何やってんだよ、バカ」


「バカ……」


「しかもなんだその格好は。こんな時間に雪で遊んでたのか? びしょびしょじゃねーか。バカ」


「バカ……」


「ったく。ホントにバカだな、お前は」


「バカ……」



バカバカ言ってやったが、どうやらヒザにケガをしているらしい。


それがオレが作ったケガだと気づいたときには悪いことをしたと思ったが……


びしょ濡れのカラダを拭いてやると、相変わらずアイツはイイ反応をする。



種明かしをしてやる前に、オレのS心がうずいた。


ベランダにいる留美のことも忘れて、そのまま抱いちまうところだった。



「ふ……バカなのはオレか」



アイツをかまうのが楽しくて仕方ない。



それはようするに……、


アイツに言わせられた言葉どおりの意味ってことなんだろう。


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