脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+







「少し冷やし過ぎたな」



低温のシャワーを止めて部屋に戻ると、


ぼんやりとこっちを眺めているアイツと目が合った。



「何だ、起きたのか」


「……」


「どうした? ぼうっとして。まだ寝ぼけてんのか?」


「……」


「その態勢で眠ってるわけじゃねーだろ?」



ベッドの上でカラダを起こして座ってはいるが、


カエルを胸に抱いたまま、途方に暮れたような顔をしている。



「どうしたんだよ」


「……」



バスタオルに異常な反応を示すコイツが、


バスタオル1枚のオレの姿を見ても何も言わない。



「電池切れか。どうした」



近寄って腰掛けると、



「……流川?」


「なんだ」


「本物?」


「あ?」


「夢じゃないよね?」



確認するようにオレの顔をのぞき込んできた。



「やっぱり寝ぼけてんのかお前」


「……そうかもしれない」


「……は?」


「何だかいっぱい夢見たの」


「だろうな。寝言も忙しかったし」


「目が覚めたらいなくって」


「?」


「流川、帰ってきたはずなのにいなくって」


「……」


「またひとりぼっちになっちゃったのかなと思って」



静かに伸ばした手をオレの肩に置いて、



「……これも夢?」



そうでないことを祈るような目をして、半べそをかいた。


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