僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
きっと凪は何かに悩んでいて、それを明かせるのは彗だけなんだろうなと思う。
何かに悩んでるなら話してほしいと思うけれど、無理に問いただしても仕方ない。
でも聞こうとすればできるのに、そうしないのは……彗が話そうとしないから。
きっとそれが、あたしが凪に直接聞けない1番の理由。
どうして駄々をこねてるの?って、言ったところで彗は綺麗にかわすだろう。
遠回しに、『聞かないで』と言っているのが分かるから、
「……今日は何?」
こうやってあたしも出かけた言葉を飲み込んで、話を逸らすんだ。
「……低カロリーな肉サラダです」
「え!? あ、ありがとうっ! でも、サラダだけじゃ祠稀が怒るよ……?」
「……だから豚肉を入れてみたのに?」
「あ……でも、うぅんと……ほら、祠稀には主食がないと」
あたしのためにサラダを作ってくれたのは嬉しいけど、祠稀のお腹はちゃんと満たしてあげないと、彗が怒られちゃう……。
伝わるかなと思っていれば、やがて彗は「そっか」と思い直してくれた。
「パンでも焼いとく」
なんて、無邪気に笑う彗が眩しくて、あたしの心はあったかいのに少し切ない。
好きって言える勇気もないくせに、想いは募るばかりだから。