僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


「カバン持ってくるから、先に出ていいよ」


結局ココアしか飲まなかった凪に言われて、あたしたち3人は玄関に向かう。


鼻歌を歌いながら歩く祠稀に、欠伸をしながら歩く彗。そんなふたりの後ろを付いていくと、ブレザーのポケットから微かな振動が伝わる。


「おやおや。朝からどなたとラブメールですかー?」


携帯を開いたあたしをからかうように、祠稀が話しかけてくる。


「ち、違うよ! そんなんじゃないもんっ」

「赤くなっちゃって。なー、彗?」

「……俺赤い?」

「うん、なんでもねぇ」


彗の肩に手を回しながら玄関を出る祠稀にフゥと息を吐き、ローファーを履きながら携帯画面に視線を移した。


≪おはよう。今日はミーティングだけだよ。≫


……もう夏から続いてる。


おはようの挨拶と、要件だけ。部活の話だったり、他愛ない話題だったり。


たまに来る、大雅先輩からのメール。

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