僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


「しぶといねぇ、奴も」


悪戯に笑いながらローファーを履く凪から、再びメールを読む。


「ふふっ、そうだね。……でも、もう充分だよ」


きっと、また笑って話せる。人生初のデートをした、あの日みたいに。


「有須がそう思うなら、いいんじゃない」


見上げると、優しい笑顔。


……あたしが向き合おうと決めたのは、凪たちがいてくれたからだよ。


そう言っても、「あたしたちは何もしてない」って返されるんだろうな。



「あー! 学、校、めんどくさー!」

「声デケーんだよバカ凪! 近所迷惑だろっ」

「……凪はやる気のなさを奮い立たせてるんだよ?」

「彗お前……凪に甘すぎじゃねぇ!?」

「もうっ、喧嘩しちゃダメ!」



相変わらずなあたしたちでも、きっとそれぞれ何か変化はあったはず。



……祠稀と少し、話をしよう。



秋晴れの空の下。返信ボタンを押す手が、妙に輝いて見えた気がした。



.
< 31 / 812 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop