僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
◆Side:凪
「なぁ~、凪ぃ~! ホンマに遊ばへんのぉ!?」
1年の階に来てまで、帰ろうとするあたしを追いかけてくる遊志のオレンジ頭は目立つ。
身につけているアクセが多いせいか、かすかにチャラチャラと擦れ合う音がする。
溜め息をついて、黒いパーカーを着る遊志に振り返った。
「帰るって言ってるじゃん」
「アカン! 凪は俺と遊ぶねん!」
ああ、犬にしか見えない。前髪結ぶのやめてくれないかな。
「遊志、今受験で忙しいでしょ。有名大学受けるって聞いたよ」
頭いいんだね。と付け足しながら歩き出せば、遊志は1歩後ろから言った。
「関係あらへんわ。受験せぇへんもんやからな」
親のコネ入学。そう付け足す遊志を少しだけ見遣ると、窓の外を眺めていた。
「……」
遠い目をしながら、それでも遊志は大学に入るんだろうな。
親のためではなく、大雅のために。
夢見る未来をいつの日か、迎えるために。