僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


◆Side:凪



「なぁ~、凪ぃ~! ホンマに遊ばへんのぉ!?」


1年の階に来てまで、帰ろうとするあたしを追いかけてくる遊志のオレンジ頭は目立つ。


身につけているアクセが多いせいか、かすかにチャラチャラと擦れ合う音がする。


溜め息をついて、黒いパーカーを着る遊志に振り返った。


「帰るって言ってるじゃん」

「アカン! 凪は俺と遊ぶねん!」


ああ、犬にしか見えない。前髪結ぶのやめてくれないかな。


「遊志、今受験で忙しいでしょ。有名大学受けるって聞いたよ」


頭いいんだね。と付け足しながら歩き出せば、遊志は1歩後ろから言った。


「関係あらへんわ。受験せぇへんもんやからな」


親のコネ入学。そう付け足す遊志を少しだけ見遣ると、窓の外を眺めていた。


「……」


遠い目をしながら、それでも遊志は大学に入るんだろうな。


親のためではなく、大雅のために。


夢見る未来をいつの日か、迎えるために。
< 32 / 812 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop