僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「じゃあ、教えてあげる。凪の髪は昔、ストレートだったんだよ」
「……見れば分かるわ」
お互いふたり分ずつ昼食を持ってきてくれた彗と祠稀。何の話をしていたのかと思えば、またあたしの話。
彗に突っ込むと、「だって祠稀が」と眉を寄せる。当の本人はあたしの前にうどんを置いてくれて、向かい側に座った。
彗にオムライスを渡された有須のお礼を聞いてから、あたしは小さく溜め息をつく。
「秘密って言ってもなぁ……んー。祠稀のワックス、たまに使ってるとか」
「それ秘密じゃねぇよってオイ! 減り早いと思ったらお前か!」
ケラケラ笑うあたしに、祠稀は形容しがたい表情を浮かべ、有須は少し考えてるようだった。
彗に聞いたらしい、あたしの寝付きが悪いことが気になってるんだと思う。
「てかね? ほんとないから。あったとしても、あー……あるかな?」
彗を見ながら苦笑すると、祠稀はこれでもかとばかりに身を乗り出す。
「ほら見ろ、あるんじゃねぇか! なんだよ!」
彗はただ肩を竦めて、和食定食に箸を伸ばす。もう少し早く言えばよかったのにって、思ってるに違いない。
「てか、ホントたいしたことじゃなさ過ぎて、逆にためらうんだけど」
「今さらもったいぶんなよ」
別にもったいぶるわけじゃないけれど、秘密というには曖昧で、威力が足りない。