僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


――彗、助けて。

あたし、サヤが好きなんだ。

嘘じゃないよ。
本当なの。本当なんだよ。


助けて、彗。眠れないの。


ひとりが、怖いの。



……これが、凪からの最後の手紙。


戸惑いはあったけれど、驚きはしなかった。


だからこそ俺は、助けを求める凪にさえ、返事を書かなかった。


血の滲む左手を隠しながら、俺だって助けてほしいと泣いていたのを覚えてる。



俺は最後の手紙を置いて、それのひとつ前に届いた手紙を手に取った。短くなっていた文章が突然長くなったから、覚えてる。


サヤが好きだと告白してくる前に、伝えられた片想い。



――彗。

好きになっちゃいけない人を好きだって気付いたら、どうする?


あのね、あたし、絶対好きになっちゃいけない人を好きになってたの。


ちょっと色々あって、気付いちゃったの。嘘だ嘘だって思っても、見るたびドキドキする。頭撫でられるたび、もっと撫でてって思う。


あたしじゃない別の女の人といると、ムカムカするの。


あのね、その人には彼女がいて。たぶん、結婚も考えてて……。

あたしみたいな子供は、相手にされないかな? 綺麗になって、化粧とか覚えても、ダメかな?

どう頑張っても、ダメだと思う?

……でも、伝えることも無理かな?


伝えちゃダメだって、自分でも分かるんだけど。どうしても、好きなの。


好きで、好きで、どうしようもないの。

あたしだけを、見てほしいの。


……叶わないって、分かってるのに。



期待するあたしは、バカかな?

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