僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「まさか、また牛乳買いにきたの? よっぽど好きなんだね」
くすくす笑う男の子にハッとして、少し恥ずかしくなる。
「牛乳じゃなくて、ココアだから! 毎日飲まないとダメなのっ」
赤くなる顔をごまかすように、次々と牛乳に手を伸ばす。
「……ココア? 流行ってるの?」
不思議そうな声に顔を上げると、男の子は首を傾げていた。
「ココアが……? 流行ってないと思うよ。あたしが好きなだけだもん」
「ふぅん」
「なんで?」
聞くと、男の子は棚に並ぶスイーツに視線を戻しながら口を開いた。
「……兄貴が、ココアにハマってるから。流行ってるのかと思ったんだ」
……へぇ。お兄ちゃんがいるのか。
「その制服、S高でしょ」
「へ? ああ、うん」
そうだけど……。君は?
ウズウズする気持ちに耐えきれず、あたしは棚に手を伸ばした。