僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「ちょ、どんだけ食べるの?」
全種類のスイーツを手に持とうとしてるあたしを見て、男の子は驚く。
「この前のお礼に奢る! ってか、話したいだけなんだけどね」
フフンとなぜか得意気に笑うあたしに、男の子は暫し沈黙してから笑った。
「やっぱ、変な人だね」
変じゃないけど。失礼だな。
ムッとしてると、前に会った時と同じ、黒いマニュキアをした手が伸びてきた。
両手いっぱいに抱えたスイーツの中からひとつ、取り上げられる。
「コレだけでいいよ。モンブラン、好きなんだ」
目を伏せながら微笑む男の子を、かわいいいと思ってしまった。
フードを眼深くかぶってるから全貌は見えないんだけど、伏し目になったことで見えたまつ毛が、羨ましいほどふさふさだ。
さすがに口に出すのは失礼かと思って、スイーツを棚に戻す。
「あたしはチョコケーキにする」
男の子からモンブランを受け取って、浮かれる足でレジへ向かった。