僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


「あたしね、凪。夢虹 凪っ!」


会計を済ませ、駐車場の輪留めを前にしてしゃがみ込むと、あたしは早速名前を告げる。


男の子の名前が知りたくて知りたくて、堪らなかったから。


「アハハッ!」


なんで笑うわけ? ……あたしそんなに、目か何かキラキラしてた?


胡座をかいて俯く男の子は小刻みに体を震わせ、それを横目で見ながら袋の中からモンブランを取り出す。


「ちょっと、笑いすぎでしょ」

「だって……おかしいんだもん」


ククッと喉を鳴らして顔を上げた男の子にモンブランを差し出すと、受け取るなり名前を告げられた。


「チカ」

「……、チカ?」

「うん。僕の名前」


女の子みたい。って言ったら怒るかな? ……でも。


「いい名前だね」


そう言うと、チカは本当に嬉しそうに笑った。とても、幸せそうに。

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