僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


「ていうか、友達と遊んでるだけじゃん。大袈裟だよ」

「違う、そういうことじゃないよ。友達と遊ぶのはいいし、早坂とだって会ってるみたいだし……そのことを言ってるんじゃないよ」


意味が分からないと言うように視線を投げかけると、サヤの眉が八の字に下がる。


「家にいなさ過ぎだよ」

「……何、言ってんの?」


衝撃を受けた。あたしが目を見開いたことなんてお構いなしに、サヤは勝手なことを言い出す。


「確かに、もっと友達と遊んで欲しいと思ってた。もっと外に出て色んなことを知って欲しいと思ってたから、今の凪が嫌だとかダメだとか言ってるんじゃないんだ」


――ふざけないでほしい。


「ただ……帰りが遅かったり、何日も家に帰らないのは、よくないと思ってる」


――ふざけんな。


「俺はずっと、凪は家を大事にする子だと思っ……」

「誰のせいだと思ってんの!?」


乱暴にサヤの手から逃れ、今度は自分で手首を掴んだ。


――ふざけんな。家が大事? 大事だよ。大事だったよ、何よりも。緑夏ちゃんが来るまでは。


好きでこうなったんじゃない。


誰かがそばにいないとダメなのも。一時でも抱かれれば安心するのも。


ひとりじゃベッドで眠れなくなったのも、夜が怖くなったのも。あたしのせいじゃない。



「サヤがあたしを見ててくれないからこうなったんじゃん!」



言って、ハッとした。サヤの顔を見て、後悔する。


傷付けた。それだけは分かったけど、放った言葉をごまかすことはできても取り消すことなんてできない。


「ごめん、違う……」


何も違くないじゃん。


「今のは……八つ当たりで」


本音じゃんか。


――ダメだ。うまく言葉が出てこない。


感情に任せて何してんの、あたし。いつも通り上手くやればよかったのに、どうして我慢できなかったの。


「……」


我慢できなく、なってる……?
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