僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


あたしはその日の内に、彗を含む3人へメールした。


本当は一度会ってから決めるはずだったのだけれど、ほぼ勘で大丈夫だと思ったから、理由などいらなかった。


強いて言うなら、全員が3時台にメールを送ってきたこと。何かわけありのような気がしたこと。彗以外に関しては、あの文章に反応したことが理由だ。


全員15歳。女と男がふたりずつ。

楽しくなりそう。

ううん、意地でも楽しく過ごすの。


あたしが、幸せになるために。






「っす……いぃぃい!!」

「あぶっ……ないよ……もう」


誰よりも先にマンションに来た彗に、あたしは勢いよく抱き付いた。懐かしくて、嬉しくて、大きくなった手があたしの背中に添えられて、涙が出るほど幸せに思った。


「……寂しかったでしょ」


リビングに入ると、そう言って彗はあたしの頭を撫でた。


彗は眉を下げていて、あたしは一度俯き頭の中でいろんなことを考えた。


彗は全部知ってる。あたしがサヤを想ってることも、きっとあたしがなんであの家を出たのかも。


……ねぇ、彗。後悔してる?


「彗が来てくれたから……もう寂しくないよ」


微笑んで、そう言った。たくさんの、たくさんの気持ちを込めて。


どうして手紙の返事をくれなかったの? なんて、過ぎたことは言わない。怒ってなんかいない。


あたしはただ、役立たずだと思っただけ。


でも今はそばにいる。自分から、自分の意思で来てくれた。きっともう彗は、あたしから離れない。


後悔でもなんでもいいの。あたしは、気にしないでなんて言わない。助けてなんて言わないし、強要だってしないし、責めたり償えなんてことも言わない。


ただその心に刻んで。


スポイトで一滴一滴垂らすように、彗が返事をくれなかった間の話をしてあげるから。


何を思おうが、何をしようが、彗の自由だよ。


でもね、あたし知ってるんだ。


彗は頭がよくて、とても不器用で、とても優しくて……一度決めたことは曲げないでしょう?


彗は知らないでしょ?

あたし、そんな彗が好きなの。



そんな彗じゃなきゃ、いらないんだ。

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