僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


『お前、彗が死んだらどうするつもりだよ。お互いに依存してるお前らが1人残されたら、お前らに残るもんって何?』


そんなことは自分がひとりじゃないから言えるんだよ、祠稀。


『今しかいらないって言ったよな。永遠なんてないと思ってんだよな? だったら彗だって永遠に生きてるわけじゃねぇことぐらい分かってんだろ』


この前の夜に祠稀が言っていた言葉を、俺はベッドに腰かけてじっと聞いていた。


きっと、俺と同じように凪の心を深く抉ったんだろうなと思いながら。


……祠稀の言うとおりだ。


俺と凪のどちらかが欠けたら、何も残らない。俺は不死身じゃないし、永遠に生きられないし、いつか死ぬ。


分かってるから考えない。どちらかが先にいなくなるなんて恐ろしすぎて、考えないんだ。


だから今しかいらない。今しか考えない。


永遠なんてないと凪が言うなら、俺が唯一凪の永遠になる。



『彗だけに依存すんなって言ってんだよ。なんでそれが分かんねぇの?』


……やめよう、振り返るのは。


祠稀や有須に何を言われても答えはひとつでいい。ふたりには“理解できない”。それだけでいい。


「……彗?」


祠稀たちの団体から目を逸らすと、凪が俺を見ていた。何?と目で訴えると凪は暫く俺の顔を見てから微笑み、緩く首を振る。


「意識飛んでるなーと思っただけ」


飛んでないよ。そう言おうとしてすぐ、

「凪ーー!」

朝も聞いた大きな声に口を噤んだ。


俺も凪もクラスメイトも、オレンジのちょんまげを揺らす遊志先輩に視線を移す。


「何? 教室まで来てどうしたの」

「そりゃ愛しの凪に逢いに来たに決まってるやんかぁー!」


凪が座る席の目の前まで来た遊志先輩は、俺にも笑顔を見せる。


「彗ぴょんはいつも眠そうやなぁ。ちゃんと寝てるんか?」

「……ぴょん?」

「彗のこと変な呼び方しないでよ。ていうか、ほんと何しに来たの遊志」

「遊びのお誘いに来たんやで?」

「は!? 今から!? 放課後ねって、朝話したじゃん!」

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