僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
自分の心に居座りつくわだかまりを感じながら、校舎を出て帰路についた。
決して溶けあわない感情がぶつかり合って、その振動が頭にまで伝わってくる。
こめかみを押さえながら眉を寄せると、通りかかった公園で遊ぶ子供たちが目に入った。
小学3年生くらいの男女が見事に分かれているけれど、自分は通らなかった生き方に思わず足を止めた。
「待ってー! はやいよぉ」
「おそい!」
横を走り抜けた男の子が振り返って、俺も僅かに後ろを見遣る。小学生の女の子が息苦しそうに走って、俺の横を通り過ぎると、男の子は「はやく!」と言って駆けていった。
先に公園にいた子たちと友達だったのか、ふたりが来ると、分かれて遊んでいた男女がひとつになる。
高く、よく響く笑い声。それに見合った無邪気な笑顔。
それらを耳に入れて、目に焼きつけて、止まっていた足を進める。
はしゃぐ子供たちを見て思うことは、沢山あった。だけどそのどれもが虚しく、また胸にわだかまりが積もっていくから、考えるのをやめた。
芽が出た草花を摘んで、最初からなかったことにするみたいに。手に負えなくなる前に摘んで、捨てた。
例え、根が強く深く残っていると分かっていても。
……今日もなんか、ダメだな。
この前の凪と祠稀の言い争いを聞いてから、やけに落ち着かない。
胃もたれとか、胸やけとか、そんな類の気持ち悪さがずっと喉の奥にあった。
痛く感じるほどの冷気に肩を縮めながら、白い息を吐く。
寒い。
もう本当に、嫌になるくらい寒い。
帰ったらまず熱すぎるくらいの珈琲を淹れようと思いながら、マンションへの道をひとりで歩いた。
まさか出かけてるか寝てると思っていた祠稀が、血相を変えて飛び出してくるとは思わずに。