僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
大雅先輩がやってくると、マンションの前で6人が立ち話をしてるような、変な光景になる。
それをサラリとかわしてしまうのは、いつも自由な彗。
「プッ。このタイミングで先行かれると、嫌いだって言われてるようなもんだな。なぁ、大雅」
「そ、そんなことないですよ! あたしたちも行こう!」
一言余計なことばかり言う祠稀の腕を小突いてから、あたしたちも彗の後を追った。
冬休みが明けて、1日目。今日からまた学校が始まる。
「しっかし、学校とか久々やなぁ~。まあ3年の俺らは、あんま関係あらへんけど」
ゆっくり歩いていた彗に追い付くと、遊志先輩が後ろでそんなことを言う。
確かに、冬休みは2週間ちょっとしかなかったのに、ものすごく久々な気がした。
「始業式とロングホームルームだけのために学校行くなんて、面倒くさいことこの上ないのに。……4人そろって行くなんて、仲直りできてよかったね?」
「……」
大雅先輩も、つくづく知りたがりっていうか……。連絡するって言っといて、すっかり忘れてたあたしたちも悪いんだけどね。
「はあ……これだから根に持つタイプは嫌いなんだよ」
「やだなぁ。約束守れない祠稀くんのほうが、どうかと思うけど?」
「お前の、その張りついた笑顔もどうかと思うぞ」
お互い笑顔で話しながら、あたしと彗を抜いて行く祠稀と大雅先輩。
……あのふたりは、いつまでも気が合わなそうだなぁ。
「あ! せや。凪、俺のメール見た!?」
遊志先輩の声に、ぼーっとしていた彗も少し後ろを見遣り、あたしも同じようにする。
遊志先輩と並んで歩く凪は眉を寄せて、気付いたように「あ」と声を漏らした。
「……あれだよね。クリスマスにくれた……」
「そうそう! 返事はえぇねんけど、読んでくれたやろか~ってずっと思っててん!」
返事はいらないと言ったのは、遊志先輩なりの気遣いだったと思う。
ふたりの会話に混ざるかのように、いつの間にかあたしは凪の隣に、彗は遊志先輩の隣を歩いていた。