僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「あ、凪ー! 有須も! おはよーっ」
「ひさしぶりー」
学校に着いて教室に入ると、クラスメイトの女子たちが声をかけてくる。あたしも凪も挨拶を返して、すでにできあがった輪の中に入った。
「今日寒くない? てか、宿題やった?」
凪は首に巻いていたマフラーを取りながら、頷く。
「やったよ。全部」
「マジで!?」
「有須と一緒にやったからね」
「えーっ! ずるい! ウチらも呼んでよー!」
凪は笑顔で話して、教室の別の空間では祠稀と彗が友達数人と話していた。
ありきたりな学校での朝の風景が、あたしにはまだ少し夢のようでもあって、とても懐かしく思える。
「どーせ、有須の答え写しただけなんじゃないのー?」
「えっ!? 凪はそんなことしないよっ」
視線をクラスメイトに戻すと、他の子がにやにやと意地悪な笑みを見せた。
「いやぁ、凪ならコッソリやりかねないっしょ」
「バレたか」
「え!?」
バレたかと言った凪に驚いたのは一瞬で、表情で冗談だったと気付く。
凪も周りの子も笑って、冬休みに何をしたとか、始業式が面倒だとか、そんな会話で時間を潰した。
あたしはたまに会話に混ざったり、彗たちのほうを見たり、凪を盗み見たり。
誰かと話すそれぞれの表情は豊かで、声のトーンも様々。なんだかふわふわとした不思議な気持ちになる。
1ヵ月前、1週間前、昨日と違う今日。
同じように見えて、きっと明日も、今日とは全く違う日。
そんなことは当たり前なのに、どうして今さら気付いた感じがするんだろう。
……変なの。
だけど嫌じゃない。うまく、言えないけれど。