空をなくしたその先に
「嘘っ、信じられない!整備が終わったあとのココアが楽しみなのにぃ!」


ぎゅっとボルトをしめあげて、ダナは口をとがらせた。

「俺、個人的に持ってきてる。いい子にしてたらわけてあげるよ」


そう言うルッツに絶対よ、と笑いかけて、ダナは翼から滑りおりた。


「ディオ!制御装置見てよ」


ぼけっとその様子を眺めていたディオは慌てて立ち上がった。
何度出撃しても一人で乗り込めるようにはならず、そばにいた整備士に手を貸してもらって後部座席に潜り込む。

限度十回を越える手段はまだ見つかっていなかった。

理論上は回路を冷却してやればいいはずなのだが、冷却しようとすると構造的な問題が発生する。

根本から設計を見直す必要があったが、修正している時間はない。

もっとも、十回を越えるだけの回数を撃ったことなどなかった。

二人の機体は、敵を攻撃するのに使えるのは雷神の剣だけだ。
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