てのひら。



シンとした部屋に一人きりでベッドにぽつんと座っていると、しばらくたって愛弓が帰ってきた。


『あ、おかえり〜』

『今日亜里沙どうしたの?早々と帰って』


『うん、ちょっと…』


そうしていると、少し気まずい空気を吹き飛ばすように、違うクラスでこれまた仲のいい友達2人がドアを開けた。


『ちゃーす、来たよ〜』

1人はおっとりやの桃奈。

『暇だろうから来てやったぞ〜』

もう1人は少し毒舌でサドの珠恵。

私達の部屋でしばらく話をした後

『そっちの部屋行ってみていい?』

と聞くと2人は快くいいと言ってくれた。


2人の部屋では写真を撮ったりお菓子交換をしたり、楽しい時間…の筈だった。


ガチャンと音を立て、急にドアが開いた。

何かと思いドアの方に視線を移そうとすると、真っ先に私の耳に声が飛び込んだ。



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