モノクローム
はぁ〜・・・
ため息をついて、ベッドに寝転び、天井を見つめた。
旅行なんか…
行きたくないな…
ヒロに何て言えばいい?
あたしは途端に落ち着かなくなって
今度は俯せになり、枕に顔を埋めた。
う〜〜ん・・・
「京奈ぁ〜!京ちゃーん!
ご飯よ〜!」
母の声にのっそりと起き上がり、ゆっくり階段を下りた。
「やっぱり元気ないんじゃない?」
母は心配した。
「ううん?」
箸が進まないでいると、弟が
「食欲ないなら、いただきっ!」
と横からエビフライを一本取った。
「アッ、ちょっ…!」
と言った時には、既にエビフライの半分は弟の口の中だった。
「もぉ〜!誰が食べないって言ったぁ?」
弟に文句を言ってると
ピンポーン♪
玄関のチャイムが鳴った。