モノクローム


はぁ〜・・・


ため息をついて、ベッドに寝転び、天井を見つめた。


旅行なんか…

行きたくないな…


ヒロに何て言えばいい?



あたしは途端に落ち着かなくなって

今度は俯せになり、枕に顔を埋めた。



う〜〜ん・・・





「京奈ぁ〜!京ちゃーん!
ご飯よ〜!」


母の声にのっそりと起き上がり、ゆっくり階段を下りた。



「やっぱり元気ないんじゃない?」

母は心配した。


「ううん?」


箸が進まないでいると、弟が

「食欲ないなら、いただきっ!」

と横からエビフライを一本取った。


「アッ、ちょっ…!」

と言った時には、既にエビフライの半分は弟の口の中だった。


「もぉ〜!誰が食べないって言ったぁ?」

弟に文句を言ってると



ピンポーン♪


玄関のチャイムが鳴った。
< 58 / 117 >

この作品をシェア

pagetop