はじまりの合図
『ゆっこ、早く終わったから舞んとこ行かん?』
景子ちゃんの話も終わり、みんなが取り囲んでいる間に理香子が言った。
「あ、いいよいいよ!」
二人で教室を出て七組に向かった。
『舞、舞!』
騒ついている七組のドアから顔を出して、舞を呼ぶ理香子。
『あ、理香子ぉ!ゆうも!ごめんね、来れなくて。友達出来てた』
『言い訳なっとらんわ!』
舞は七組を振り返り誰かに手招きをした。走ってきた女の子は、舞の腕に絡み付けた。
『はじめまして、涼です。よろしく!』
涼という女の子は、細い目が綺麗で声が声優さんのように可愛い。細い足に短いスカート。入学そうそう可愛い子と仲良くなれた私って…。
っていうか、全部舞のおかげのような……。
「私は裕子っていうから、好きなように呼んでね」
『まいまいがゆうって呼んでたから、ゆうって呼ぶね』
まいまい…。
「うん、いいよ!」
涼は人懐っこくて可愛い。正直、こんなに友達が出来るとは思わなかったのに。
『あら、あなた達、何組の子?早くクラスに帰りなさい』
後ろから変なおばさんが肩を叩いてきた。白髪の混じった髪の毛に年老いた顔。舞にアイコンタクトを送ると、担任、と口パクで返してきた。
『ならまた来るな、舞と涼』
理香子は小さく手を振ると、七組の担任に舌を出した。
「またね、舞」
その後理香子と担任の悪口を言ったのは、言うまでもない。