窓に影2

 さっきからずっと何も言えない私と歩。

 再びシーンとしてしまい、私たちはただ目を合わせた。



「マコちゃんの言うとおりだわ。しかも亘には一人暮らしをさせているのに、歩には家を出るのを許さないなんて、おかしな話だし」

 一番否定的だったカナママが、意見を変えた。

「確かにな。女にいい加減な亘なら簡単には頷けんが、一途な歩ならやっていけそうだ」

 おじさんも理解してくれたようだ。

 父も今日は珍しく発言をする。

「どうせK市に行くなら、恵里も一人より歩君と二人の方が心強いだろうしなぁ」

 話の流れが変わっていく。

 良い方に、変わっていく――。

「お願いします!」

 私と歩は、変わった流れに勢いを付けるように頭を下げた。

 そして、

「好きにしなさい」

 と、同棲OKの返事をもらえたのだった。





 それから、約一ヶ月後。

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