ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
「君が必要だ。一緒に戦っているうちに、君とも呼吸が合ってきたところなのだ。これならば、魔王も楽に倒せるだろう」
「………」
私は徐々に自分の眉間に皺が寄っていくのを感じながら、アレックスを静かに見詰め返していた。
思わずドキッとしてしまったのは不覚である。全く紛らわしい。
「俺と君とのコンビネーション。そしてエドのサポートがあれば、俺たちは天下無敵だ!」
続けて高笑いをしながら腰に手を当て、あさっての方向へ勢いよく人差し指を突きつける。
アレックスとは先程のものも含め、2回くらいしか戦っていないはずだ。なのにこの自信、一体何処から来るのだろうか。コイツそのうち、絶対に身を滅ぼすぞ。
私は高笑いを続けているアレックスを横目で見ながら、逃げるなら今しかないと思い立ち、二人に気付かれないように出口のほうへ向かって移動していたのだが。
突然開いていた壁が、目の前で閉まったのである。
それは、あっという間のことだった。
開く時にはあんなに仰々しいくらいにゆっくりと開いていたはずだが、閉まる時はまるで滑りの良い格子戸が、一気に閉じるかのように速かった。
「閉まるの……早ッ」
退路を断たれてしまった私は、閉まっている壁を呆然と見詰めるしかなかった。
「………」
私は徐々に自分の眉間に皺が寄っていくのを感じながら、アレックスを静かに見詰め返していた。
思わずドキッとしてしまったのは不覚である。全く紛らわしい。
「俺と君とのコンビネーション。そしてエドのサポートがあれば、俺たちは天下無敵だ!」
続けて高笑いをしながら腰に手を当て、あさっての方向へ勢いよく人差し指を突きつける。
アレックスとは先程のものも含め、2回くらいしか戦っていないはずだ。なのにこの自信、一体何処から来るのだろうか。コイツそのうち、絶対に身を滅ぼすぞ。
私は高笑いを続けているアレックスを横目で見ながら、逃げるなら今しかないと思い立ち、二人に気付かれないように出口のほうへ向かって移動していたのだが。
突然開いていた壁が、目の前で閉まったのである。
それは、あっという間のことだった。
開く時にはあんなに仰々しいくらいにゆっくりと開いていたはずだが、閉まる時はまるで滑りの良い格子戸が、一気に閉じるかのように速かった。
「閉まるの……早ッ」
退路を断たれてしまった私は、閉まっている壁を呆然と見詰めるしかなかった。