ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
「私はただ…この森を通って、カタトス町へ行く途中なんだけど」

「カタトス町って〜、ここは東の森の奥深く〜反対側ですよぉ〜」

「えっ、そうなの?」

やはり私は最初の予想通り、森の奥に入り込んでしまったのだ。

「よしっ、では早速出発だっ!」

剣士は元気な声を出し、腰に手を当てながらまた空に向かって指を差す。このポーズ、何か意味があるのだろうか。

疑問に思いつつも、私は剣士に訊いてみた。

「出発って何処…て、ちょッ!?」

剣士は質問を最後まで聞かずに私の手を取ると、突然走り出したのである。

「エド、君も遅れずについてくるのだ!」

「アレックスさん〜早いですぅ〜」

慌てながらもエドと呼ばれた吟遊詩人は、しっかりとハープを鳴らしている。
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