甘い魔法―先生とあたしの恋―


いつまでも食堂で待っているのもおかしな気がして部屋に戻った時。

タイミング悪く、先生が寮に帰ってきた音が聞こえた。

帰ってくると部屋には上がらずに夕食を食べる先生。


1人で夕食を食べてるのかと思うと、食堂に下りて行きたくなったけど……。

けど、もう済ませてるあたしが下りていってもどうかと思って、部屋の中でそわそわした後、ベッドに座った。


ポスンと座ったあたしの目に、ベッドの横に置いてある小さなビンが映った。

中に入っているのは……いつかもらった『忘れ薬』。


こうしてビンに入れておくと本当に薬みたいに見えてくる。



ただ想えばいい。


飴をビンに入れた時には、少しの濁りもなくそう思ったハズなのに。

それだけを望んでいた気持ちは、どんどん欲張りになっていって……。


生徒じゃ、やだ―――……。


そんな事まで思うようになってた。



好きな気持ちに変わりはないのに……。

先生を苦しませたいなんて気持ちは、これっぽっちもないのに……。

それでもどんどん欲張りになっていく気持ちが、嫌だった。


苦しかった。


先生の優しさに、どこまでも甘えてしまいそうな自分が……どうしょうもなく嫌だった。





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