勇者は僧侶のなんなのさ
そこで少女の声が詰まった。


目が見開かれる。


どうやら思い出したようだ。


「私に何か?」


少女は警戒しているようだ。


そして、敵意むきだしの目をしている。


「まず、名前を教えてください」


「…………」


少女は答える気が無いようで、ソッポを向いた。


すると、シサが一歩前に踏み出す。


「じゃあ、うん○ガールって呼ぶわ」


もし、こんな状況でなかったら、白い目でシサを見ていただろう。


というか、こんな状況でもシサに引いている事は否定し難い。


なんだよ、う○こガールって。


お前は小学生か。


「さて、○んこガールさん」


「ミユ」


少女が耐え切れなくなったようだ。


「それが名前? 残念ね、○○○ガールなんて名前、相当無いのに」


そりゃあ、あるわけが無い。


「じゃあ、改めて。ミユはフェイに発砲しようとした。なんで?」


「…………」


シサの問い掛けを無視をするミユ。


ハラハラする。


そのうちシサが鉄拳をくりだしてくるかもしれない。


病院で血を見るような展開にならないように期待する。


「……あなた達は誰?」
< 14 / 78 >

この作品をシェア

pagetop