勇者は僧侶のなんなのさ
「うーん、じゃあ、率直に聞こうか。君はbbの一員?」


聞いてみたが、答えが帰ってくる気配が無い。


隣のシサも機嫌が悪そうだ。


「わかりました。今日のところはひとまず帰ります。またくるので、その時にゆっくりと話してください」


そう言いのこし、ドアノブに手をかける。


「そうね、そうとも言えるかもしれない。私はただの売春婦だから、実際には違うけれど」


ミユの声。


「話してくれますか?」


ドアノブから手を離し、ミユの顔を見る。


「勘違いしないで。あなたたちが望むような情報を話す気は無い」


「と、言うと?」


「あなたたちは、遠い国のお伽話『モモタロウ』を知っている?」


「知っているも何も、僕もシサも小さい頃聞かされてきましたよ」


このミスタリでは好んで話される物語。


桃から生まれた少年が、三匹の動物を伴って鬼を退治するという話だ。


勧善懲悪というやつ。


やはり、いつの時代でも正義が勝つと言うのは気持ちが良いのだろう。


しかし、ミユはなぜそんな話を始めたのだろうか。


「あなたたちは桃太郎の話をどう思っている?」


「どう、と聞かれても…………」
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