勇者は僧侶のなんなのさ
「尋問を受けるのはともかく、こんな生活ではミュがかわいそうであります」


「確かにその通りです。この現状については僕がギルドへ報告し、改善します」


体勢を低くし、いつでも攻撃をできるように備える。


「ミュやあなたたちには聞きたい事が山ほどあります。あなたたちを拘束して尋問します」


「フェイさんたら、乙女に尋問だなんて、変態であります」


「乙女?」


若い警備員、ヒカルはいきなり帽子を外した。


すると、あら不思議、男性にしては妙に長い髪が現れる。


「…………髪の長い男だっているよ!」


「では、これでどうであります?」


ヒカルはいきなり、上着の前を開けた。


サラシに巻かれて窮屈そうにしている、豊満な胸。


「見るな」


シサに頭を叩かれた。


それと同時に鼻血が出てくる。


男だから、興奮して当たり前だ。


もしこれで興奮しない男性がいたら、いろいろと疑ってしまうこと必至。


「というわけなので、見逃してほしいであります」



「ま、待って!」


「待てと言われて待つ人間はいないであります」


ヒカルはそう言い残し、レンと共に窓を突き破って部屋から出た。
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