勇者は僧侶のなんなのさ
しかし、シサに気持ち悪いと言われた事で、心の底から面白いと思って爆笑する事が増えたのも本当。


「シサって、本当に司祭だったんだね」


「いまさら」


リビングから気の無い声が返ってきた。






その日の夜、野菜スープとミートソーススパゲティの晩御飯を食べて直ぐ、シサとミュはベッドに入った。


部屋を明るくしていると二人の事だから不機嫌になりそう。


「ランスは寝ないの?」


椅子に座って本を読むランスに聞いた。


「まだ眠く無いのだ」


「夜更かしすると体に響くよ」


「そうかも知れない。ここを読み終えたら寝る事にしよう」


本のページをめくるランス。


さっさと寝てほしいが、仕方ない。


向かいの席に座り、終わるのをじっと待つ。


「なんだ?」


「あ、気にしないで」


「気になるじゃないか。私が起きていて何か困る事でも?」


「いや、そんなの無いよ!」


「ふーむ」


纏わり付くような目で見られた。


「まぁ今日はここまでにしよう」


本を閉じて背伸びをした。


「おやすみ」


「おやすみ。シサやミュに変な事をするなよ」


「そんな事しないよ」


もうちょっとこの世でいろいろな事をしていたいから、今は死ねない。
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